cat on a train

目的はただ文章力をあげることだけ。そのために駄文を垂れ流す。

なんでドイツでは残業が無い(少ない)のか

去年の7月にドイツのベルリンに行ってきた。そこで7ヶ月間生活したんだけど、日本みたいに過労死しそうな働き方をしている人を見かけたことがなかった。(日本人が経営する飲食店で働く日本人は忙しそうだったけど。) 

たぶん考え方の違いがあるんだと思う。以下は私が感じたドイツ人と日本人の仕事に対する考え方の違いである。(もっとも私が接したドイツ人から感じたことであり、接したドイツ人は限られているので、実際のドイツ人の思考はこれとは異なっている可能性があることをあらかじめ断っておく。)

 

ドイツ人の思考:仕事を定時間内に終了させる→仕事を選択する

ドイツ人はまず定時間内に仕事を終了させることを大前提にしていると思う。そしてその限られた時間で最大の利益を獲得するにはどうするか、と考える。その過程で不要と判断された業務は容赦なく削られる。

例えばコインランドリーが故障したとする。この故障したコインランドリーだけど三日間放置されていたとしても私は全く驚かない。たぶんコインランドリーを管理している人の手が空いたときに修理される。残業してまで直す気はない。

券売機も同様。

スーパーでレジが混んでいても、スタッフが忙しければ他のレジを空けないと思う。別に並べばいいじゃん、的な。

募集をかけている企業に履歴書を送っても何の返事がないことも割と普通。

日本と決定的に違うと感じたのが「お客様は神様」という文化はドイツでは皆無だということ。(一部の観光地除く。)労働者と消費者は立場が対等(労働者の方が立場が上なんじゃないの?と感じたことすらあった)という雰囲気がある。消費者側も「残業してでもやれ」と考えていないっぽい。まあ言ったところでやらないと思うけど。

 

日本人の思考:先にするべき仕事が決まる→終わらない場合は残業してでもする

日本人はまずするべき仕事が先に決まってることが多いと思う。そしてそれは絶対にやらなければならないものであって、「残業してでも」しなければならない。自販機が壊れていたら残業してでもすぐに直しにいかなければならない。レジが混んでいたら他の業務を後回しにしてでもレジを空けなければならない、等々。あと消費者もそれで当然と考えている人は多いと思う。残業により業務時間を伸ばせるので、業務を効率化するという考えが希薄になり、業務量が増える→残業時間が増える→作業効率が落ちる→残業時間が増える→…という悪循環になっているイメージが私にはある。あと消費者の立場が労働者より圧倒的に上だと思う。

 

結局ドイツと日本で何が違うのかというと

労働者と消費者の仕事に対する考え方が全く異なると思う。ドイツ人は労働者も「消費者」も残業をしない、しなくていいという強い意志を持っている気がした。それに対して日本人は、労働者も消費者も残業はしなければならないと(大なり小なり)考えているように私は感じている。結局そこの価値観を変えない限り、この問題は根本的には解決しないのではないだろうか。ちなみにドイツの生活ってかなり不便なんじゃないの?と感じられたかもしれないが、私は3ヶ月で「慣れた」と述べておく。そして一旦慣れれば特にストレスを感じないとも。